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WordPressのバージョンアップは必要?安全に更新する手順と注意点

WordPress

WordPressの管理画面に現れる「更新してください」という通知。つい「後でやろう」と見送っていませんか?そのワンクリックをためらう気持ちは、多くのサイト運営者が経験するものです。しかし、その小さな先延ばしが、実はサイトのセキュリティを脅かし、パフォーマンスを低下させる静かなリスクになっています。

この記事では、WordPressの更新がなぜそれほど重要なのかという根本的な理由から、失敗しないための具体的な準備、安全な更新手順、そして万が一のトラブル解決法までを網羅的に解説します。この記事を読めば、更新作業への不安は自信に変わり、あなたのウェブサイトを常に最高の状態で保つための知識が身につきます。

WordPressの更新、放置は危険!

WordPressのダッシュボードに表示される「更新通知」。つい後回しにしていませんか?しかし、その「後回し」が、あなたのサイトを大きなリスクに晒しているかもしれません。WordPressの更新は、単に新しい機能を追加するためだけのものではありません。ウェブサイトを安全かつ快適に運営し続けるために不可欠なメンテナンス作業なのです。


なぜWordPressの更新が必要なのか?3つの理由

WordPressの更新が重要である理由は、大きく分けて3つあります。これらを理解し、常に最新の状態を保つことの重要性を認識しましょう。

セキュリティを強化し、ハッキングを防ぐ

WordPressはオープンソースで世界中に普及しているため、常に悪意のある攻撃者の標的となっています。実際に、サイバーセキュリティ企業Sucuriの調査によると、脆弱性が原因でハッキングされたWordPressサイトのうち、実に49%が古いバージョンのソフトウェアを使用していたという報告があります。

We examined trends in our user base to identify the most common malware families and threats facing our customers. Our data revealed that a large majority of compromised environments were linked to SEO spam (62%) and website reinfections from backdoors (47%).

(お客様ベースの傾向を調査し、お客様が直面している最も一般的なマルウェアファミリーと脅威を特定しました。データによると、侵害された環境の大部分はSEOスパム(62%)とバックドアによるウェブサイトの再感染(47%)に関連していることが明らかになりました。)

2019 Website Threat Research Report – SUCURI

更新プログラムには、発見されたセキュリティ上の欠陥を修正する重要なパッチが含まれています。更新を怠ることは、自宅のドアに鍵をかけずに外出するようなものです。

最新機能でサイトのパフォーマンス向上

WordPressのアップデートは、セキュリティ強化だけでなく、サイトの表示速度や操作性を向上させるための改善も含まれています。例えば、新しいバージョンでは画像の読み込みが高速化されたり、より直感的に操作できるエディターが導入されたりします。サイトのパフォーマンスは、訪問者の満足度だけでなく、検索エンジン最適化(SEO)にも影響を与える重要な要素です。

バグ修正で不具合を解消

「特定の機能がうまく動かない」「表示が時々おかしくなる」といった問題は、WordPress本体やプラグインのバグが原因かもしれません。更新には、こうした既知のバグの修正も含まれています。アップデートによって、これまで悩まされていた小さな不具合が解消され、より安定したサイト運営が可能になります。


更新前に必ずチェック!安全第一の準備リスト

WordPressの更新はボタン一つで実行できますが、予期せぬトラブルを防ぐためには、事前の準備が何よりも重要です。以下のリストを一つずつ確認し、万全の体制で更新に臨みましょう。

失敗しないための7つの事前準備

  • 最重要!サイトの完全なバックアップを取る 万が一更新に失敗してサイトが表示されなくなっても、バックアップがあれば元の状態に復元できます。**「ファイル」(WordPressのコアファイル、テーマ、プラグイン、アップロードした画像など)「データベース」(投稿記事や固定ページ、設定などの情報)**の両方を必ずバックアップしてください。レンタルサーバーが提供するバックアップ機能や、バックアップ用のプラグインを利用すると簡単です。
  • PHPとプラグインの互換性を確認 WordPressはPHPというプログラミング言語で動いています。WordPressを更新する際は、サーバーのPHPバージョンが推奨環境を満たしているか確認が必要です。管理画面の「ツール」→「サイトヘルス」で現在のPHPバージョンや、プラグインが最新のWordPressに対応しているかを確認できます。
  • 更新情報を把握し、変更点をチェック アップデートでどのような変更が行われるのか、事前に公式のリリースノート(変更履歴)に目を通しておきましょう。特にメジャーアップデートの場合は、大きな仕様変更が含まれることがあります。
  • 本番環境の前にテスト環境で試す 可能であれば、本番のサイトとは別に、そっくりなコピーサイト(ステージング環境やテスト環境)を用意し、そちらで先にアップデートを試すのが最も安全な方法です。ここで問題がないことを確認してから、本番サイトの更新を行いましょう。
  • 不要なプラグインは停止・削除 現在使用していないプラグインは、セキュリティリスクや他のプラグインとの競合の原因になり得ます。更新前に整理し、不要なものは停止、あるいは削除しておきましょう。
  • メンテナンスモードで更新中を知らせる 更新作業中は、一時的にサイトの表示が不安定になることがあります。専用のプラグインを使ってメンテナンスモードを有効にしておけば、訪問者に更新中であることを伝えられ、プロフェッショナルな印象を与えられます。
  • テーマ・プラグインも最新版へ WordPress本体だけでなく、使用しているテーマやプラグインも更新の対象です。本体との互換性を保つため、これらも最新の状態にしておきましょう。

初心者でも簡単!WordPress更新の3ステップ

事前準備さえしっかり行えば、WordPress本体の更新作業は非常にシンプルです。基本的には数回のクリックで完了します。

管理画面からラクラク更新

  • ダッシュボードの更新通知をクリック 管理画面にログインすると、画面上部や左側のメニュー「ダッシュボード」→「更新」に通知が表示されます。これをクリックして更新ページへ進みます。
  • 「今すぐ更新」でアップデート開始 更新ページに表示される「今すぐ更新」ボタンをクリックします。更新プロセスが自動的に開始され、進行状況が表示されます。完了するまで、ブラウザを閉じたり他の操作をしたりしないでください。
  • 完了メッセージを確認して終了 「WordPressの更新が完了しました。」というメッセージが表示されれば、アップデートは成功です。サイトの表示や各機能が正常に動作するかを確認しましょう。

【トラブル発生?】更新後のよくある問題と解決策

万全の準備をしても、予期せぬトラブルが起こる可能性はゼロではありません。しかし、慌てず原因を切り分ければ、多くの場合、自力で解決できます。

エラーが出ても慌てない!確認すべき5つのポイント

  • 画面が真っ白になった 「死の真っ白画面(White Screen of Death)」と呼ばれる現象で、主にプラグインやテーマの互換性の問題が原因です。FTPソフトでサーバーに接続し、プラグインのフォルダ名を一時的に変更して全てのプラグインを無効化してみましょう。これで表示が戻れば、プラグインのどれかが原因です。一つずつ有効化して原因を特定します。
  • サイトの表示が崩れた まず、ブラウザのキャッシュをクリアしてみてください。それでも直らない場合は、テーマやプラグインのCSS(デザインを指定するファイル)が原因である可能性が考えられます。
  • ログインできなくなった キャッシュのクリアや、プラグインの無効化を試みてください。.htaccessファイルの問題である可能性もあります。
  • 特定の機能が使えなくなった お問い合わせフォームが動かない、画像ギャラリーが表示されないといった問題は、特定のプラグインが最新のWordPressバージョンに対応していないことが原因である場合がほとんどです。プラグインの開発元の情報を確認しましょう。
  • エラーメッセージが表示される 表示されたエラーメッセージをコピーして検索すると、多くの場合は解決策が見つかります。WordPressの公式フォーラムなどで同様の事例が報告されていることもあります。

もっと知りたい!WordPress更新の豆知識

日々の更新作業をより深く理解することで、さらに安全で効率的なサイト運営が可能になります。

ワンランク上のサイト運営を目指す

  • 自動更新と手動更新、どっちがいい? WordPressには自動更新機能があります。セキュリティの観点から、細かなバグ修正やセキュリティパッチが含まれる**「マイナーアップデート」は自動更新を有効にしておくのがおすすめです。一方、機能の追加など大きな変更が加わる「メジャーアップデート」は、事前にバックアップやテストを行った上で手動で更新する**方が、予期せぬトラブルを避けられます。
  • メジャーアップデートとマイナーアップデートの違い バージョンの数字で見分けられます。例えば、「6.4」から「6.5」への更新はメジャーアップデート、「6.4.1」から「6.4.2」への更新はマイナーアップデートです。メジャーアップデートは新機能の追加や大幅な仕様変更を伴い、マイナーアップデートはバグ修正やセキュリティ強化が中心です。
  • 更新を代行してくれるサービスはある? はい、あります。専門知識が必要なトラブル対応や、日々のメンテナンスに時間を割けない場合は、ウェブサイトの保守・管理を専門に行う業者に依頼するのも一つの有効な選択肢です。

まとめ

WordPressの更新は、時々発生する面倒な作業ではなく、ウェブサイトという大切な資産を守り、育てるための不可欠なプロセスです。セキュリティの強化、パフォーマンスの向上、そして不具合の修正。これらアップデートがもたらす恩恵は、安定したサイト運営に欠かせません。

本記事で解説したように、「バックアップ」を始めとする万全の事前準備を行えば、更新作業は決して怖いものではありません。手順に沿って慎重に進め、万が一トラブルが起きても、原因を切り分けて冷静に対処することが可能です。

さあ、あなたのサイトのダッシュボードを確認してみてください。もし更新通知があれば、それはサイトをより良く、より安全にするチャンスです。この記事をガイドとして、自信を持ってアップデートを実行し、訪問者が安心して楽しめる盤石なサイトを築き上げていきましょう。定期的なメンテナンスこそが、成功するサイト運営の鍵です。

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